――私立鳴神学園。
この学園には、学校の七不思議を語ることを禁止する奇妙な校則があった。
しかし、突如として新聞部は七不思議の集会を企画する。
企画の聞き役として抜擢された一年生の工藤光輝と、語り部の面々たち。
偶然集められたはずの彼らだが、
実はある人物によって巧妙に仕組まれたものだった。
この集会が開かれた真意とは? 学園に隠された真実とは?
多くの人間の思惑が渦巻く、七不思議の集会が始まった・・・
赤い紙の中央に殺したい相手の名前、左下に自分の名前を書く。
その赤い紙を、第三運動場の右から三番目のイチョウの木に結んでおく。
すると、その紙は人知れず殺人クラブの目に留まる。
もし殺人クラブがその願いを聞き入れてくれたら、
翌日自分の下駄箱に『了承』と書かれた緑の紙が入っている。
そして近いうちにその願いが叶えられる。
しかし、その紙を書いたことを他者に知られたら、
逆に願い事をした当人が殺人クラブに殺されてしまう。
鳴神学園に代々伝わる有名な都市伝説の一つ。
13年前の1995年。新聞部部員の日野貞夫が学校の七不思議を集めて特集を組み、校内新聞を作ろうと企画した。
怪談に詳しい生徒が一話ずつ語り、それを聞き役に選ばれた坂上修一がまとめるというものだった。
だが、その特集が新聞に載ることはなかった。
それはその場にいたとされる八人が消息を絶ってしまったからだ。
なぜ彼らは消えたのか。はたまた死んだのか。
これには数々の噂が囁かれているが、真相はわからない。